賽の河原

デッド・ドント・ダイの賽の河原のレビュー・感想・評価

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)
3.0
吉祥寺のオデヲン、普通に大好きな映画館ですし、アップリンクが村人たちによって焼き尽くされてしまっている現在、足を運びやすい映画館ですけど傾斜が緩いですよねぇ。エンドゲームもここで観たんですけど、字幕に前の人の頭が被るっていうのはなかなかストレスがあるような...。
ずいぶんと前に観た作品ですからもはや、というのもありますが一応ね。ジム・ジャームッシュ最新作ですからね。イギーポップの映画は置いておいて前作の『パターソン』は2017年最高の「アクション」映画でしたしね。ゾンビものでこのキャスティングでっていう製作過程の時点から「チョー面白そうじゃん!」って期待の作品でしたけど、実際公開されてみたら...。というのがありまして、実際に自分の眼で確かめてきたら「あぁw なるほどw」っていう。
ジム・ジャームッシュ、『パターソン』観たときに過去作も結構観たんですけど、本当に最高ですよね。
『ストレンジャー〜』だとか『ダウン・バイ・ロー』とかさぁ。とりあえず映画観ないマンの皆さんに耳寄り情報としてお伝えしときますけど、「いやぁ〜、ジム・ジャームッシュ好きなんだよねぇ〜」とか言ってるだけで軽いシネフィル感だせますよ。なんならウェス・アンダーソンとかも挙げたらモテ始めそうですよ。#適当
で、今回の『デッド・ドント・ダイ』ですけど、まぁそんなに真剣につくられてるとは思われないというかねw 「豪華キャストやなぁ〜」とか思って見てましたけど、やりたかったのはジム・ジャームッシュ作品の同窓会ですよね。あとはゾンビ映画論としてのロメロリスペクトっていうw
まぁとにかくゆる〜く作られててね。ジム・ジャームッシュ作品って基本的にゆるさありますけど、それは大枠の部分はカチッとできていて、そういうなかでのやりとりとかの外し感、オフビート感に漂う余裕みたいなのがクールでオシャレなんですけど、本作は割と全体的ゆるめですよねw
上に書いた「真剣につくられてるとは思われない」ってのはそういう話ですw
じゃ、ゆるくオフビートコメディとして楽しめるかっていうと、うーんw 私は序盤のダイナーで現場を検証するくだりのテンドンコメディが最高点で...。うんw っていう。ティルダ・スウィントンのアレコレはもう「おかしな人がおかしなことをしている」だけですからねぇ。
ゾンビがバッチリ出始めちゃうと、やっぱり映画の状況としてかなり非日常的な展開になりますから、ジム・ジャームッシュ的な外しのコメディが映えないというか。ただ緊張感のなさにしか映らないので、どうでも良さに拍車をかけますねw
んでロメロリスペクト的なゾンビ映画論だとか、まあ一応埋めこまれてる現代アメリカ事情みたいなものも、うん。そのクラシックへのリスペクトとか正統性感は分かりますけど、特に新規性はないっすね。
なんかボコボコに叩いてる感ありますけど全く文句ないですし、何にも知らずに見たら、あまりのゆるさに激怒した可能性ありますけど、普通に映画全体から「別に真剣につくってないですから」オーラ出てるので別にこれはこれでいいんじゃないの?って思いましたね。
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