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9人の翻訳家 囚われたベストセラーのmikeのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

全体的にはとてもおもしろかったんだけど、個人的に「翻訳者」という職業に思い入れと尊敬の念が深いためか、最高ポイントと冷めポイントがはっきり分かれてしまった。

最高ポイントはもちろん多言語が銃弾のように飛び交うシーン!もし9人の翻訳家全員のケイパーものでここがクライマックスだったら、相当好きな映画になっていたと思う。
冷めポイントは主人公(犯人)、敵役、デンマークの翻訳家。主人公の行動原理が全く好きになれないうえ、ミステリーとしては定石なWho, Howに対して全く障壁にならない敵役の無能ぶり。デンマークの翻訳家に関しては、彼女が共犯チームの一員なら意味があるエピソードだけれど、これはただの巻き込まれ事故だし救いもない。「遅かれ早かれこうなっていた」なんておまえだけは言うな、と思ったし、ラストの種明かしもすごく冗長に感じた。

たしかに敵役は「創作物」に愛がないけれど、結局のところ主人公も「翻訳家」を「創作者」より下に見ているように感じられてしまった。題材はとても興味深いだけに残念。
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