mike

ボーはおそれているのmikeのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.0
アリ・アスターの新作はいつもの如く、トラウマ映画でありセラピー映画という唯一無二の作家性・全開。今回はコメディで、母の支配とユダヤ教の戒律というモチーフが明確にあり、あまり緊張せずに楽しめた。めちゃくちゃ笑った。

母(=宗教)の教義に沿えず、ひどい目に遭い続けるボーを観ているとなぜだか不思議と、支配なんてクソくらえだし戒律なんて従わなくて良し!という気持ちがわいてくる。今回毒親側の心情も吐露され、親である自分はちょっとだけ気持ちがわかる部分もなくはない。そもそも親子という関係性はエグい。お互いを選べず、絶対的な力関係があり、親は子を支配し、子は親から(ある種)搾取する。そしてお互いを罪悪感で縛り合う。しかし、どんな親子にもそういう面があると思うと、絶望する反面気が楽になるのもたしかだ。179分かけて壮大なスケールで繰り広げられる親子プロレスを見届けると、その不毛さは骨身にしみる。

それにしても、マライアの超名曲(なんなら甘酢な思い出すらある)をあんな使い方(しかも天丼)してくれちゃってどうしてくれるの……!!!一生忘れられないんだが!!!マライア許諾すんなしwww
mike

mike