「この世に物語以上に強力なものはない。」
-ティリオン・ラニスター
今作に登場するキーマンの1人が同じようなセリフを語るシーンでは「ここでもか」とハッとし、何やらアンビバレンスな気持ちが胸中に渦巻いた。
なんの情報も入れずに観に行ったので、はじめは9人も覚えられるかなーと不安だったが、キャラ立ちが見事で冒頭10分ぐらいでその不安は吹き飛んだ。(タイトルシーンも品の良いケレン味がありグッド)
登場人物たちの魅力と、お話への興味の持続をしっかりと意識した構成のお陰で終止退屈せずに鑑賞でき、エンタメとしての満足度充分。あー面白かった。
と、それだけで終わってもいい作品であると同時に、ここ数年世界中で表出している「オレよりこれを愛している者はいない」という感情を起点としたファンダムカルチャーの功罪を風刺する作品でもあった。
自分のものは自分で守るしかない現代を、巧みなストーリーテリングで少しイジワルに見据えた、ほのかな苦味を残す秀作ミステリー。
ていうかオルガ・キュレリンコって実際に6ヶ国語喋れるんや!すげー!
そして「このサイテーな世界の終わり」のアレックス・ローサーが出ててテンション上がった!
ランベール・ウィルソンの憎たらしい上流貴族感、似合うなーやっぱり!
ミーハー最高。