このレビューはネタバレを含みます
レビューの評判もいいしミステリ好きなので期待大で見始めたけど、なんだかイマイチだった。
サスペンスものには、一本の張り詰めた糸のようなピリっとした緊張感が欲しい。でもこの話、いろいろボヤけてみえる。
翻訳家を缶詰で働かせるのが非人間的で許せないのか、芸術や創作を商品としか見てない資本家が悪なのか、それとも殺人事件が核なのか、それ全部言いたいんだろうけどラストまでボンヤリして締まらない感じ。
肝心のどんでん返しもわりと早い段階で予想つくし。
あと、せっかく9人いる各国の翻訳家達も役割分担が曖昧。スペイン語での作戦会議も取ってつけたみたいで大して盛り上がらない。
苦手の原因はフランス社会主義の主張がちょいちょい鼻につくからかも知らない。
芸術や創造する人間が崇高で利益を追求する人間は悪の権化なんて単純すぎる。話にもうちょい捻りが欲しかった。
たぶん「ダヴィンチコード」の缶詰エピソードを上から目線で皮肉ってやりたかったんでしょうね。
昔のフランス映画は好きなんだけどな。