先日観たのは血生臭い銭湯の映画だったけど、今度はリリカルな銭湯の話。浴槽のお湯が窓からの光を受けて透明にキラキラ光る。
2本続けて銭湯映画を観たので銭湯の仕事の勉強になった。ような気がする。
都会の中に自分の居場所を探す主人公。「翔べない時代の魔女の宅急便」か。なるほど〜。
『自分は光をにぎつてゐる』 山村暮鳥
いまもいまとてにぎつてゐる
而もをりをりは考へる
此の掌(てのひら)をあけてみたら
からつぽではあるまいか
からつぽであつたらどうしよう
けれど自分はにぎつてゐる
いよいよしつかり握るのだ
あんな烈しい暴風(あらし)の中で
摑んだひかりだ
はなすものか
どんなことがあつても
おゝ石になれ、拳
此の生きのくるしみ
くるしければくるしいほど
自分は光をにぎりしめる
山村暮鳥は全く知らなかったけれど、暗唱したくなる詩です。中川監督は詩人でもあるのですね。