こやち

わたしは光をにぎっているのこやちのレビュー・感想・評価

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)
3.5
先日観たのは血生臭い銭湯の映画だったけど、今度はリリカルな銭湯の話。浴槽のお湯が窓からの光を受けて透明にキラキラ光る。
2本続けて銭湯映画を観たので銭湯の仕事の勉強になった。ような気がする。

都会の中に自分の居場所を探す主人公。「翔べない時代の魔女の宅急便」か。なるほど〜。


『自分は光をにぎつてゐる』 山村暮鳥

いまもいまとてにぎつてゐる
而もをりをりは考へる
此の掌(てのひら)をあけてみたら
からつぽではあるまいか
からつぽであつたらどうしよう
けれど自分はにぎつてゐる
いよいよしつかり握るのだ
あんな烈しい暴風(あらし)の中で
摑んだひかりだ
はなすものか
どんなことがあつても
おゝ石になれ、拳
此の生きのくるしみ
くるしければくるしいほど
自分は光をにぎりしめる


山村暮鳥は全く知らなかったけれど、暗唱したくなる詩です。中川監督は詩人でもあるのですね。
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