このレビューはネタバレを含みます
面白かった。
たくさんの伏線や上と下の構図を完璧なまでに二つの家族に当てはめて表現しています。
衝撃の展開までは、正直引くところもあったけどコメディか?って感じでした。
が、ゲットアウトの時も感じたコメディ×シリアスの二重ジャンルでしょうか。
決して超えられない富裕層と貧困層のライン。
さらに匂いだったり,『金持ちだから素直で優しいのだ』という台詞だったり、同じ人間でありながら絶対的に違うと言わしめてしまう二つの家族。
ただ、それでも同じ人間なんですよ、インスタントラーメンも食べるし性欲もある。
富裕層も貧困層の働きがあって生きていける。
胸くそ展開というか、ただひたすらにやるせ無い気持ちになりましたね。
後半かなり見ている側に伝わるイ・ソンギュン演じる父の匂い。
パク社長からの侮蔑を感じた後の表情は正直恐ろしかった。
それまではニコニコしていて,なんとかなるさみたいな人だったのに。
半地下に住む家族は、皆それぞれの技術を持っていて、高級住宅に住む一家でパラサイトしつつも仕事ができているのに、職がないのは韓国の職業難事情にある。
貧困のループはすでにどうにかなるものでなく。
劇中でもそれはいくつも示唆されていて、どうにも切ない気持ちにさせられました。
・モールス信号が読み取れても助けが来ないドンイク。(貧困層の願いは届かない)
・ギウの計画は失敗するがダソンの描く絵は実現する。(富裕層の計画は実現する)
・ラストも父が階段を上がる絵を見せておきながらも、父が語っていた『失敗しない計画は無計画』という言葉からも、ギヴの計画や願いは決してうまくはいかないことを思わせる。