このレビューはネタバレを含みます
ようやく鑑賞しました。
まず物語の前に、、
画がいいです!!
豪邸の庭のシーンと半地下の対比がとてもよかった。
あと坂の下から煽りで豪邸を写すカットもいい。
下のものが憧れる富裕層のメタ的な画角を彷彿とさせてよかったです。
ストーリーでいうと、
端的に気持ち悪い、に尽きます。
主人公家族が文字通り富裕層に寄生していく様はまだいいんです。
元々いた家政婦が旦那を地下に住まわせていたことが判明するあたりから気持ち悪さが倍増します。
ラストは、、、
何とも哀しい終わりです。
ただ富裕層の気持ちもわかるんですよね。
だって働きに来てる4人が家族だと知らないじゃないですか、
そこで奇人化した家政婦の旦那が包丁振り回して、息子が泡吹いて倒れてたら
家庭教師(主人公一家の娘)が刺されたことより
自分の子供優先すると思うんですよ。
ただ"匂い"についてはこれはあからさまに
本作の肝になっていますよね。
これは個人的には差別、忌み嫌うことの隠喩なのかなと思いました。
ここが複雑で良いんですよね。
他人と自分の息子を天秤にかけ、自分の息子を助けようとするところは共感されつつも、
他人が貧困層だからといって忌み嫌って良いのかと言われるとそうではない。
ただこの主人公家族も、彼らに寄生していることから決して善人とは呼べない。
判然としない心の濁りみたいなものが残る、
良い映画でした。