「「絶対に失敗しない計画は何だと思う?無計画だ。ノープラン。なぜか?計画を立てると必ず、人生そのとおりにいかない。だから、人は無計画なほうがいい。」
この作品が世に放たれてから5年も経ったのか。月日の流れは早い。話題となっていた当時は見る気が起きず、超遅ればせながら鑑賞。最近ちょこっとK-POPにハマったのもあって、韓国のお国柄や国民性を調べたりもしていたので、個人的にタイムリーではあった。
正直言うと、思ってたより…って感じだった。題材がリアルとはいえ、そうはならんだろ、な展開が多いのが気になった。
身も蓋もないことを言うと、あんなレベルの豪邸、庭には監視カメラ設置してるのに家の中には設置してないとかあり得なくない?無いなら家族の危機管理意識が低過ぎるだけか。
あんなバカでかい家なのに、家政婦が1人だけってことあるのか?仮にも世帯主は会社の社長なんでしょ、ガードマン2人ぐらいいても良いのでは、、まぁいたとしてもなんだかんだして淘汰されてたのかな。
パラサイトする側の家族、両親割とボーッとしてるのになんで子供2人はあんなに有能なの?さすがに有能すぎないか?
パラサイトされる側に特にこれといった欠点が無かったのも個人的には消化不良。
途中出てくるもう一つの地下構造は取ってつけた感じだし、終盤の展開は呆気なすぎて、パラサイトする側(特に父親)の苦悩や吹っ切れ感があまり伝わってこなかった。
なので作品としては私的には微妙…だったのだけど、テーマとしては興味深かった。
学歴社会、受験戦争、見た目至上主義
嘘か本当か、その昔私の韓国人の友人は「韓国では、親が子供の誕生日プレゼントに整形をプレゼントする。顔が良ければ、将来の就職活動に有利に働く。それぐらい見た目は大事」と教えてくれた。
本作で起きる様々なトラブルや悲劇は、
①富裕層が貧困層の事情や環境を知らないこと
②「富裕層が貧困層の事情や環境を知らない」ことを貧困層が知らないこと
が元で起きている
とレビューされてる方もいるし、私も見終わった直後はそう思った。でも、②は往々にしてあるとしても、①ってあるのかな?韓国って結構デモやってるイメージあるし、テレビやPC、スマホがあれば簡単に辿り着くと思うのだけど。てかそもそも富裕層がそこに対して興味がないってことが問題なのか。無知は恥、無知は罪、無知は毒になることがあるんだな、悪気がなくても。
匂いについての例えや言い方が頭から離れなかった父さん、アレってイジメられた子供のトラウマに通ずるところあるよなって思ったりした。相手に悪気があっても無くても、腹の底から燃えたぎるような恥ずかしさと自己嫌悪なんだよね、きっと。想いの矛先を間違えた結果。
人生は思い通りには行かない事の方が殆どだし、将来を考えすぎて悲観するより今を楽しむことだって大事だし、でも、やりたいことや目標は持ってた方が楽しいし、「生きてる」実感があると思うんだ。だからこそのあの豪邸での束の間の家族団欒だった訳だし。アレがやりたかったことなんだもんね。
物事や出来事に対して、計画はするけど期待はしすぎない、程度が良いのかも。
こうやって、「社会構造」や「貧困問題」など、1人の力ではどうにもならないけど考えるべき問題にアレコレ思いを巡らせてレビューを書けたから、改めての問題提議として意義のある作品とは思う。
全体的にはほぼコメディだったけど、怖さのMVPで言うとぶっちぎりで前家政婦です。インターホン越しの顔と挙動が怖過ぎる。私ならガン無視する。