しゅんまつもと

パラサイト 半地下の家族のしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.7
2020年1本目。味気のない言い方をすれば、映画と呼ばれる装置の力を改めて思い知らされた。
希望や絶望は決して形として目にすることは出来ないけれど、映画にはそれが出来る。人は決して誰かの視点で生きることは出来ないけれど、映画にはそれが出来る。離れた場所で耳にする音や鼻をつく匂いも、映画なら感じることができる。

例えば、雨が流れる排水溝。例えば、街灯の点滅。例えば、道に転がる石。何気ない景色も映画を見る前と後ではまったく違って見えてしまう。たった2時間で確かに世界は変容する。(ように感じる)

至る所で言われていることではあるけれど、ここ数年で世界同時多発的に作られた"格差"をテーマにして作られた「万引き家族」「ジョーカー」「天気の子」「アス」「家族を想うとき」、それぞれに感じた歯痒い部分が全て補完されてこの一本に集約されたと言っても過言ではないように感じた。絶対見るべき!!!!