このレビューはネタバレを含みます
貧乏家族全員が金持ち家族の家にうまいこと寄生するなんて、ありえないことだけど、韓国の貧富の格差、その描かれ方のリアルさに、この奇想天外な寄生劇が現実に起こりえるかもしれないと思えてしまった。
ずっと強調される両家族の格差、そこに、文字通りさらなる下層に住む家族が現れる。その格差が、なんだか可笑しかった。はじめは。
だけども半地下の家族と地下深くの家族は、お互いの家族を守るために戦い、その戦いは殺し合いにまで発展してしまう。しかし、階段をのぼった先にリビングがあるような上層の家族は、ガーデンパーティに興じ、まるで別世界の住人のように幸せそうだ。これが格差か、、、。
でも、包丁で刺されて死ぬのは、どの層の人間だろうと同じ。それだけは等しく同じなのだ。なんて皮肉なことなのだろう。
父を助けるため、家を買おうと決意する息子。しかし、きっと無理だろうと、誰もが思ったはず。肩を落とし、力なく溜息を吐き出す。それが、この映画を見終わったあとにした、最初のことだった。