貧困の半地下住宅に暮らすキム一家。長男ギウは留学する友人から家庭教師の代行を頼まれ、富豪一家―パク家長女の家庭教師を務めることに。次第にキム家はパク家にとりいっていき...。
執拗に繰り返される縦の構造が素晴らしい。
コミカルなシーンが展開しつつも、ずーっと内臓をさわられているような、いやーなスリリングさが持続する。へうっと息をなんど吸ったことだろう。
サクッと美味しく食べられるけど胃に残るジャージャー麺とでも云おうか、楽しくみれるけど、ズン!と肚にしっかりくるものがある。そんな一作。
そして観終えたあと、
『自分は半地下ではないよな?』
『階段のどの段層にいるのだろうか?』
という考えが脳にパラサイトするかの如くこびりついてしまう。捨てても戻ってくる、あの水石のように。