ペリーさん

パラサイト 半地下の家族のペリーさんのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

※2回目視聴後追記。

まとめるのが難しく1週間以上かかりました。
ポン・ジュノ監督×斎藤工の対談を見て興味が湧き鑑賞しました。

見る前の予想として、あのセレブ家族が何かしらの秘密を抱えてるっていうラストだと思ってたので、地下室の秘密が暴かれた後も最後までそういうオチが待ち構えてると思って期待してましたが、男の子以外はただのカンの悪いアホ家族でしたw

あの雨の日以降の展開は本当に予想外でした。
酒とおつまみ広げて勝手にだらだらしてる時は一番ヒヤヒヤしました。
雨降ってるってことはキャンプ切り上げて帰ってくる可能性あるでしょw

細かな心象描写が印象的でした。
後半のストーリー展開としては予想がつきそうなものでしたが、鑑賞後にギテク(父)の感情を中心として全てのシーンが細かに思い起こされ複雑な気持ちが収まらず、帰り道もその後1週間くらいも思い出しながらずっと考えてました。
洪水の後は一気に別人のようになりましたね。
昔からギテクは無計画である事が一番だと、それで家族幸せなんだからいいじゃないかと思っていたが、最後はそれが仇となって地下に閉じ込められてしまった。
家族との差もそこにありました。
(映画冒頭のピザ箱作りが1/4失敗してるというのは伏線だったと思う)
パク社長を殺すに至った感情を100%理解することは難しいですが…ここに関しては、対談動画の中の「礼儀」というキーワードが関係しているかと思うので是非ご覧下さい。
そういう点を納得するためにも、全ての展開が分かった上で再度見返したい映画でした。

気になる点
・石の意味
・計画と無計画(ラストの息子の金持ちになる計画も含め)
・におい
・洪水以降の言葉遣いの変化

※2回目感想
全て知っている状態で見直すと、細かい描写や仕込みが見えてきてふいに感嘆の声が漏れた。
全てにおいて、恐らく韓国の(もしかしたら世界の)格差社会を批判しているのかと思う。
象徴(石)に囚われ、象徴に殺される。
これは学歴や家柄に置き換えて考えられますよね。
避難所で「計画を立てると失敗する」という言葉があったので、ラストの金持ちになるという計画は失敗に終わるのでしょう。
虚しいなあ。金には勝てないんだなあ。
それが今の社会ですよね。日本でも。
何度見ても私のような考察厨には堪らない映画です。