FATMAX夜食のデブロード

大脱出3のFATMAX夜食のデブロードのレビュー・感想・評価

大脱出3(2019年製作の映画)
2.9
役者パワーで多少の無理を跳ね除け嬉し楽しいエンタメになった1作目。
中国資本どうこう抜きにしてもあまりに前作のプロットを雑に扱った結果ブッ飛び過ぎて"もし自主制作なら確実にカルトムービー"な程まで行き着ついてしまい逆にファンすら獲得した感のある2作目。
そしてほぼ間を空けずに登場した3作目である!

前作をスタローン自体ダメと認めたからなのか、製作期間が2とカブる勢いで作られたぐらいなので多少は変わるであろうと観てみたら…


『 うん、アクション映画にはなってる!』

コレはもう間違いなく。
今回は囚人天下一武道会もご褒美ネットカフェもシビれまんじゅうも無い。

ってかソレ以前に"映画"だ!


しかし、前作のプロットはコレまた

『 ンなモン知るか!』

な勢いで事が進む。

コレを「荒れてんな〜w」と流せるか「もうシリーズとしての根本がなってない!」と断罪するかは個人差で、過去作の思い入れで更に意見が細分化されそうではあるw




まぁそもそも2があまりにも劇薬指定作品なのでいっそ荒療治もアリなのじゃないかね?
アレはアレで強烈だからヘイト級の断罪はしないけどw
…あ、1は好きですよ。
↑というスタンスなワシとしては今回の3作目のストーリーに関しては…


「…やはり劇薬の副作用ってのはソフトランディングで回避出来るモノではないのだな。」

という気持ちが強い。


《秘密刑務所とソコに収監されている囚人》

コレが3作の中で1番機能していないのだ。

もはや刑務所を舞台にしたB級お気軽アクション映画になってしまっている。

そもそも2で明らかに強大な力を持つ雰囲気を醸し出してる(風味な)ボスキャラが

「…バカンスでも行かれました?」

状態なワケで、ハンパに続編的な設定残すぐらいならやっぱり荒療治の方が良かったんじゃね?という思いが消えないのです。

そもそも犯罪者が逮捕→起訴→有罪判決で収監という刑務所に入る要素を『俺は脱獄のプロだぜ!』という設定で上手く処理した1に対して『…まぁ多分 近所にジャッジ・ドレッドでも居たんでしょう。』レベルで放棄した2作目ですが、ソコを掻き消す手段が

『とりあえずあそこに秘密刑務所あるからアジトに使っちゃおうぜ!』

では、もう刑務所の必要性は皆無です!


更に言えば、

『 …もう、脱出じゃないよね。』

何ならむしろ"潜入"、ミッションインポッシブルどころかミッションポッシブル級な潜入行動がメイン。


もはや《タイトルの意味どこ行った??》案件です。



ところがコレ、ストーリーを追う"王道な見方"から角度を変えますと、スタローンの"ならでは"に溢れた作品だったのです!

知らんけど!

イヤ、多分そうだ!

多分!

やっぱ知らんけど!

でもワシはそう思う!!



ダメと認めても切り捨てはしない。
スタローンはそういう映画人なのです!

ゆえに例えば今回の悪役は1作目に関係性を持たせたり、キチンと《2作の続編》としての繋ぎを持たせてるワケです。


ソレでもやはり面白い物語となってない事は認めます。

ただ、それじゃあコレ駄作か?と言えば、敢えてこう答えます。


『違いますね。むしろ熱いですね。』



ストーリーはイマイチなのですが、割り切って〈1本のアクション映画〉として観た場合…

「ちゃんとツボ押さえたアクション映画なっとるじゃんか!」

なのですよ!

イヤ、念押ししますけどストーリーはダメっスよ!w
ただ低予算アクションムービーとしては構図が壊れてないんですよ!
(雑だけど)

2はソコが壊滅的にダメなんです。カンフーアクションが意外に多いのにも関わらず全然ダメ。
(過剰にエネルギー量はデカいのでカルト化の素質はハンパないですがw)

今回はちゃんとアクション映画としての軌道修正はしてある。
アクションの物量じゃなく質と使い所は確実に上です。
圧勝です。


だからこそマックス・チャンがカッコいい!

スタローンのガチ喧嘩は異様な迫力ある!
(手前の銃撃戦は…まぁ許して下さい)

バウティスタにすら殴り合いの見せ場を作った!
(しかもコレ相手がバウティスタのスタントダブルらしく、分かる人にはサプライズというサービス)


コレまた"演者にはしっかりと見せ場を与える"というスタローンの優しさ全開な作りなワケです!



結論、今回はスタローンが例え中国資本が入って1からガラッと変わったとしても忖度無しに『コレが基本的なアクション映画の作り方だ!』と2作目に見せた教科書(低学年向け)だと思うワケです。


もちろん専門書ではなく教科書なのですんげぇザックリですw
(映画として考えればダメダメな所は満載です。)

普通ならアレがどうでダメとかこの部分が良いみたいな事言ったりします。ソレやり出したら莫大な量です。


だけど、もうこの映画は『ソコじゃない!』



スタローンの優しさと厳しさに溢れている!!


ファッションで例えるなら

「基本知らずに"着崩れてる"のと、分かった上で"着崩す"のは違うんだぜ。ソレぐらいは知っとけ。」

という教えだと思うワケです!

だからこそ あのガチ喧嘩クライマックスが本気なワケですよ!

知らんけど!!
(でもアクション自体は本気で凄い。ってか痛い。)

今回は3人の"見せ場として"のアクションのを感じる為に付き合うという感覚で観るとこの作品はアリです!


ただしコレはワシ個人の感想です。
半ば感情です。
だからホントは言いたくない気もしますが、一応念押ししておきます。


映画としてはつまらないです!
何よりストーリーが大事な人は99%ダメです。
おいそれとオススメ出来るモノではありません。


でもワシはコレ好きです!!

以上!!