matchypotter

新感染半島 ファイナル・ステージのmatchypotterのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ご縁があって公開前に拝見。
前回、列車の中で起きたゾンビパンデミック。

あれから4年後。
前作の後日談も語られてるが、ほぼ1日で都市機能が破綻し、国外逃亡も船で感染者が出たことで近隣国が難民の受け入れ拒否続出。

韓国人が行くアテがなくなる。
何とか諸外国に逃げた者、非正規に潜む者、韓国に留まる者、、、。

少し理由が希薄だったが、国外から徒党を組んで韓国に戻り、ある簡単な仕事をしてサクッと戻るつもりだった主人公御一行だったのだが、、、。

前作はその面白さから口コミ的にも広がりスマッシュヒット。
コンユ、マドンソクなど、韓国ならではの味のあるキャストがキャラの立った役所で、ゾンビパニックとしても人間ドラマとしても楽しめた。

今回はカンドンウォン。
前回の列車の中というシチュエーションスリラー的な要素を脱却して荒廃しまくってあちこちにゾンビが徘徊する都市全体が舞台。

故に、人間ドラマよりもアクションやパニック感が強い。
続々と増えていき、ほぼ丸腰で防戦一方の前回かとは違い、今回は武装して攻めの姿勢で戦える。

そんなこんなで、かなり、ゾンビ感はパワーアップ。
謎の塊のヤツとか、数の多さにおいてもかなりバラエティーに富んでた。

特にあのカーチェイス。『ベイビードライバー』を彷彿とさせるハンドルとギア捌き。
その巧みな車捌きで、気持ち良いほどゾンビをバタバタ薙ぎ倒していくシーンは圧巻。

今回も、過去の後悔から立ち上がろうとしたり、過去の清算をしようとするドラマや、家族の絆。

さらには、韓国国内で腐りきった軍隊どもの圧政もあり、人間模様もさすがは韓国映画的な濃い模様。

ただ、それらが全体的に前作から大分ぶっ飛んできて狂気のボルテージを強めに上げてきている。

なので、かなりドンパチアクション、ゾンビ殺戮、対人間の抗争など、やや見た目と動きの方が優先の映画になった。

動きは多く、テンポは良いので飽きずにドンドン引き込まれては行く。が、やはり、あの前作で受けた衝撃とは少し違う、かな。

世界観的にも『アイアムレジェンド』とか『バイオハザード』『マッドマックス』とか壮大な世界観とサバイバル感にちょっと近づいた感じ。

スケールの拡大と、ゾンビの拡大はスゴい。
そして、その中を何とか生き抜いて、過去や災難から脱却しようとする人達の強い思いは健在。

音と光に敏感に反応し、夜に動きが鈍るゾンビ、という設定をなかなか上手く応用した危機回避も健在で、なかなかアイデアに富んでそこも楽しめた。

やっぱり荒廃すると、カーストができて、人間って権力に溺れて本来の目的を失ってダメになるんだなーと思った。
matchypotter

matchypotter