はる

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューのはるのレビュー・感想・評価

4.5
"カーディ・Bか?"
『セックス・エデュケーション』や『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』など今年を代表する青春モノの傑作に並ぶ一本だと思います。これらの作品を観て思うのはジェンダー観や差別などの描かれ方は常にアップデートされているなという事ですね。決して過剰にではなく、さり気なくあらゆる面をカバーする表現力はまだ日本の作品には足りない部分ですね。それこそゲイ差別やデブイジリだとかがとっくに時代錯誤でダサいという事をどれだけの日本人が理解しているのでしょうか。
主人公のビーニー・フェルドスタインそういや誰かに似てんなぁとか思いながら観ていたんですけど、ジョナヒルの妹なんですよね。よくよく見りゃ顔もキャラクターまでも激似ですね笑
もう一人の主人公、ケイトリン・ディーヴァーは『ショート・ターム』なんかにも出てるらしいんですけど、全然覚えてなくてほぼ初見の感じだったんですけど、可愛くてキャラクターも最高でしたよね。
この二人を観ていて良いなって思った事がお互いを褒め合うところなんですよね。友人に限らず、家族や恋人など、照れたりしないで、好きなところや魅力的な部分を口に出して伝えるのって大事な事かもって思いました。自分の中にも取り入れていきたいです。
沢山のキャラクターが登場する本作ですが、主演の二人以上に好きになったキャラクターがいました。それがジジとジャレッドです。ジジを演じたのはキャリー・ フィッシャーの娘さんのビリー・ラード。そしてジャレッドを演じたのは『サンタクラリータ・ダイエット』のエリック役でお馴染みスカイラーギソンド。正直本作観始めるまでスカイラーくんが出ている事を知らなかったので、登場した瞬間テンション跳ね上がりました。私この人大好きなんですよ。しかも演じていたジャレッドというキャラクターがこれまた最高で益々大好きになりました。二人ともリッチで変人。そして心優しいキャラクターで、ジジの破天荒っぷりも面白いし、ジャレッドがパーティでモリーに語りかけるシーンでは涙腺をやられました。あのTシャツ欲しすぎますね。
下ネタ満載でバカバカしい事この上ない中で、どの人物も描かれ方がフラットなのがとても良いですね。絶対的な悪役みたいなのは登場しなくて、嫌な奴だと思っていてもそこには実のところコミュニケーションが欠如していただけに過ぎない。クラスメイトみんな個性があって可愛らしいんですよね。
沢山使用される楽曲のセンスも抜群、映画観終わってから本作のプレイリストばっかり聴いちゃってます。オリヴィア・ワイルドは今回初監督とは思えない仕事っぷりで次回作も楽しみです。本作のキャストにはこれから他作品でどんどん活躍して行って欲しいですね。
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