Bob

罪の声のBobのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
3.5
前半傑作後半失速。
評価がバカ高いので期待してたんですが、個人的には中の上といった所。
立場が異なる2人がそれぞれのルートで事件を追う前半は勢いがあってめちゃんこ楽しかったです。
わらわら出てくる証言者の数に圧倒されながらもワクワクが止まりませんでした。今年ベスト級の邦画かもしれへんと1人大興奮。

ただ2人が合流してさらに盛り上がるのかと思いきやそうでもなく、前半延々やってた聴き込みを2人でまた延々やるだけでちょっと飽きてしまった。
最初「これやばい!目離せへん!」とめちゃくそ気になってた事件の顛末も、これまた聴き込みで語られるだけなので大きな驚きも無く「あっそ、ふーん」って感じ。要はただのわがままね。

最後に一応用意されてた感動シーンも、そこ老けメイクでいっちゃいますか…と萎えてしまったり、
勝手に家族を事件に巻き込んで勝手に後悔して泣かれてもね、どーゆー顔して観ればええねんって思ったり。
あとロンドンでの伏線の張り方も露骨。原作通りなのかな?それやとしたらもっと上手い言い方なかったかな…
とまぁ諸々惜しかったなと言うのが正直な感想でした。

あくまで個人的な期待値を超えなかっただけで、映画としてはテンポも良くて面白い方かと。
小栗旬と星野源を起用しながらも俗っぽい雰囲気にせず、硬派なドラマに仕上げたのは良いなと思いました。
そして中盤に登場する宇野祥平さんの存在感はあまりにも異次元。小栗旬と星野源を前にしてなお圧倒される演技でした。
10キロ減量して臨んだんですね。
正に役者ですね。

そして小栗さんは最後の方明らかにロンドン観光楽しんでましたよね。
大聖堂に遺跡など、どう見ても背景に「映え」の2字がチラつきました。

映画の元ネタになったグリコ・森永事件の経緯もかなり興味深く、犯人グループが子供達の声を使ったのも事実。
声の主だった人たちは今どんな気持ちで生きてるのか、想像もつきませんね。生きてるかすらもわからんし。
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