あばばば

罪の声のあばばばのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
3.8
脚本野木亜紀子ということで……罪の声って最初は“録音された子どもの声”だと思っていたけど、単にそれだけではなくて、声=自分の人生を語ることを意味していたのだなと思った。そういう物語を誠実に物語る姿勢がより映画全体に深みを与えて追い風を与えていると思う。野木さんが脚本したドラマのMIUもアンナチュラルもそうだけど物語を物語る際の手つきが本当に慎重で誠実だと思った。MIUのクズミが自分の人生を語ることを拒否して「お前らの物語にならない」と言ったのも、罪の声の曽根が記者に協力して名乗りを上げたのも奥深くで通底してる。“エンタメとして消費させない”というメッセージを、エンタメであるところのドラマと映画の中で宣言するその健全な自己批判性を尊く思う……
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