ゆき

罪の声のゆきのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
3.9
心地のいい場所

「証言者」が秀逸すぎる一作でした。
小栗旬をストーリーテラーとした展開。
ミステリー的な過去への紐付けを行う前半、ヒューマンドラマへと化す後半。
知るはずのなかった他人の人生が真実味を帯びていくほど、武者振るいに近い胸騒ぎが止まらなかった。
空白の人生は取り戻せないが、記憶の埋め合わせと共感はできる。
送ってきた人生の違いに気づき、幸運であったことに後ろめたさを持つべきではないはずなのに。ただ、悔しかった。
気持ちの浄化までさせてくれる142分でした。

×××
平成も終わりを迎える頃、昭和最大の未解決事件を追う企画がある新聞社で立ち上がる。鍵となる脅迫テープに使用された3人の子どもの声。京都のテーラーは父の遺品から脅迫文を読み上げる自分の声を録音したテープを見つけてしまう。
ゆき

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