かめちゃん

罪の声のかめちゃんのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
4.5
1984年に起きたグリコ・森永事件をモチーフにしたフィクション。

当時の事件を調べ直すことになった新聞記者・阿久津と、父の遺品の中にあったカセットテープと手帳から事件を知るスーツの仕立て屋・曽根がそれぞれの視点から事件の真相を探っていく。

曽根の、テープに録音された自分の声がお蔵入りとなった重大事件の一端を担っていたと知ったときの絶望感たるや。こちらもハラハラしてしまった。
幼少時のため録音した時の記憶がないと言えども、知ってしまった事実は消えない。この事件で人生が狂った人がたくさんいるというモヤモヤは消えない。きっと真相を知っても、消えない。
でも知りたいというジレンマ。

過去を掘り起こして何になると彼は言ったが、阿久津が執念の取材で曽根にたどり着いた時、曽根は鳥肌が立ったのではないだろうか。もう後には引けない、真相を知らねばならないと。



実際のグリコ・森永事件でも子供の声が使われており、今もどこかで生きているとしたら、ずっと総一郎のように表には出ないで生きているかもしれない。望のように殺されたかもしれない。曽根ように今真実を知ってモヤモヤし始めているかもしれない。
私も幼少期で事件のことはよく知らなかったけど、改めて考えさせられるきっかけになった。

総一郎の子供時代を演じた石澤柊斗くんがかわいいな。
あと、若かりし頃かっこよかった達雄が、宇崎竜童になってびっくりした(笑)


2023.07.08 sat プライムビデオ
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