さやか

罪の声のさやかのネタバレレビュー・内容・結末

罪の声(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

どれほど大層な正義を謳おうが、剣は剣でしかない。その鋭い切っ先は必ず傷をつくる。意図して、意図せずして。知らずに切りつけた相手を、その傷の深さを、どう知るというのか。奮い立ったその瞳は、怒りや悲しみに視界を奪われ、その身体に受け継がれてきた血もその手を信じて取る存在をも忘れてしまう。その冷静を欠いた心で、本当に正義に向かえるというのか。
気づかないだけで、人は誰しも剣を持っている。簡単に傷つけ、傷つけられる。他愛ない日常は簡単に揺らぎ、形を失い、2度と同じ日々には還らない。振るった者も、振るわれた者も、ただ傍にいた者も。
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