tetsu0615

悪人伝のtetsu0615のネタバレレビュー・内容・結末

悪人伝(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

さすが兄貴な映画でした!

ヤクザな兄貴と1人の刑事が手を組み、悪魔のような連続殺人犯を追うクライムアクション

ヤクザと刑事、相反する2人が共通の目的の為に協力するバディモノっぽさを出しつつも、報復と逮捕という違う結末の為にお互いをどこまで利用し出し抜くのか、どちらが先に犯人を捕まえるのかというスリリングさと犯人がいつ捕まるのかという緊張感、兄貴が魅せる重量感溢れるアクションの数々は見ごたえ満載。

サイコな犯人の佇まいも不遜かつ不気味でとても良い味を出しており、猟奇的犯人+兄貴+奇妙なバディものという近年の韓国映画の良い要素を合わせたような作品で満足度は十分!

…あと皆言ってるけど、刑事が武井壮に見えて仕方ない(笑)


冒頭では人間サンドバッグをボコボコにする兄貴という武闘派な一面、悪な一面を見せ、刑事は命令無視な粗暴な刑事という一面、さらに犯人の猟奇的な一面を見せ、それぞれの特徴を見せてくれる。
そして、兄貴の元に犯人の魔の手が…と言ってもただではやられないドンソク兄貴はモチロン反撃しその重量級の拳を犯人に叩きつける。だが、犯人には逃げられ、ヤクザの面目も潰れてしまう兄貴…一方連続殺人と睨んでいるのに上司に相手にされなり粗暴な刑事は、生き残りであるドンソク兄貴に情報を聴きにくるが…お互いに相手の情報や設備、人手が必要な彼らは奇妙な共闘関係を結ぶことに…もちろんお互い脅しあったりしながらという形ではあるものの、共通の敵に対して協力する相反する2人というのは見ていてワクワクする。しかも友情で結ばれるみたいなそんな結末にもならないし。
敵対するヤクザとの駆け引き、それによって引き起こされる抗争、そこで炸裂するのはドンソク兄貴の重量級の拳、平手、拳!この一発一発が響くのがこれまたドンソクアクションの魅力ですねぇ。
そこでの二人の背中合わせでの格闘戦や
女子高生に傘をあげる兄貴とそこに突っ掛かる刑事とのやり取りなどコンビっぷりを発揮する部分もチラリと見せてくれるのもまた良い。

犯人捜しでの小気味よいBGMとスピード感のあるカット割りで捜査が進んでいく様や夜の街での人海戦術なヤクザと刑事の協力聴き込みでの次々と場面が切り替わる様は捜索の物語を加速させるスピード感が出ていて良かったなと。
殺人犯は何を考えているのかワカラナイ得体の知れない犯行の数々と不気味な笑い、不遜な態度がかなりムカムカさせてくれる熱演で素晴らしい!

終盤でのカーチェイスもスピード感と迫力があって見ごたえがあるし、犯人を捕らえるために見せてドアごとのぶちかまし&連打にスカッとしたりもしましたねぇ~

最後は刑事が犯人逮捕するものの証拠は無く…という処で兄貴のご登場!タトゥーに染まった肉体を見せ、犯人に刺された傷や証言をして犯人を死刑へと追い込む!しかし兄貴は刑務所へ…ヤツと同じ刑務所へと収監される兄貴のニヤリ顔がこれまたニクい!


兄貴が無双するような映画とは少し違うけど、連続殺人犯の狂気、重量級アクション、奇妙なバディの協力と出し抜き合い、スリリングなカーチェイス、ニヤリとする結末まで楽しめる韓国映画の良いところを詰め合わせた傑作!
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