賽の河原

午前0時、キスしに来てよの賽の河原のレビュー・感想・評価

午前0時、キスしに来てよ(2019年製作の映画)
2.8
研修です。
やっぱり片寄涼太さんが出演しているということでね。これまで片寄涼太さんは『きみと、波にのれたら』で声しか聞いたことのない概念でしたから、概念が具体化して本当に良かったと思ってます。
もうこういう映画観るのも結構慣れてきたので、パターン化した記号を観ても大して「くっだらねえ!」とか思わなくなってきたっていうか。まあ様式美を楽しむっていうか。そういう能とか狂言みたいな域に達してきたなって感じですよね。
まあありがちな身分違いの恋愛ですけどそれこそ古典ですよね。普段落語とかいうカギカッコ付きの「伝統芸能」楽しんでるマンなので、なんかそういう今をときめくカッコいいイケてる人との恋物語。「ジーンズ屋ようこたん」みたいなもんで、まぁいろいろ言いたいことはあるけれどもそこには幾ばくかの人類が普遍的にときめく本質みたいなものがどこかにあるんじゃないでしょうか。それを腐すのも野暮でしょうよ。
あのイケてる人と恋に落ちるときめき、まあパターン通りではあるが、みんなのアイドルに惚れられつつも、幼なじみのイケメンとの間の引っ張りあわれて「キャーどうしよう」だとかとか、身分の違う恋のライバルの登場とスキャンダルでワー!みたいなね。最高ですよね。
やっぱり映画として新しいことは起こらないし、予想の範疇に完全に収まったお話なので幾分退屈はしますけど、もうこういうのも慣れてますんで残り30分くらいになると、完全にこれは俺用語なんですけど「走り待ち」になってくるっていう。
要はラスト、ブワーっとなんか恋がどうなるのかな的なスリルが高まった風な感じになって、「もうあとはヒロインかイケメンがラストシーンのカタルシスを演出するために『なぜか走る』っていうシーンを待つ状態」ですよね。
こう書いてるとバカにしてるように見えるかも知れませんけど、結構マジで「どう走るのか?」っていうのは期待しててさ。イケメンが走るのか、ヒロインが走るのか。どういう時間帯にどれくらいの距離を走るのか。やっぱり感動げな音楽は流れるのかな?スローとか使ったりするのはダサいけどベタでそれはそれでいいよね。とか色々期待しながら観てて。本作もキチンと走っていて良かったです。タクシー使うのはちょっと消化不良でしたが。
最近自分の眼の下のクマが気になりつつ生きてるせいもあって、この映画の橋本環奈さんのクマは観てて結構気になったというか。「俺みたいに夜更かしマン生活なのかな?」とか思いましたよね。
遠藤憲一さんのこういう映画でもプロとして頑張ってる姿とか、観るとやっぱり少しだけ前向きになれていいですよね。
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