このレビューはネタバレを含みます
面白い。唯一「惜しい」と思うのは、主人公に狂気の片鱗が見えていたら良かったのに、という点でしょうか。(表現されていたのに、僕が見逃した可能性もあります。) 単に激しやすいだけでなくて、そこに不気味さが見えたら良かった。
普通の精神の人間なら、いくら娘が消えて焦ったとしても、トランクに血まみれの妻を入れていれば、それが気になって気になって仕方がないため、車から離れるのをひどく躊躇うはずでしょう。そもそも、トランクに妻を入れたその車で娘を運ぼうなんて、気分的に無理です。
ところが、この映画の主人公は、あたかもトランクの妻を忘れているかのような様子です。それを忘れられるとしたら、あるいは、同じ車に娘と乗っていられるとしたら、主人公の精神はどこかが壊れているはず。