トリッキーな設定ながら、正攻法のサイコーキラーものを観た気にさせて既視感あるんだが面白い。
主人公が弟の夜遊びを注意する背景に「優しいお姉さんが本気だしたら…」の風俗の看板があったり、グログロの捜査資料の写真に割印押してあったり、大倉さん扮する刑事が奮闘する場面に手に結婚指輪が見えて涙誘ったり、細かいところもそれなりによかった。
ラストシーンが「墓地」だったりするのが適当に忖度してない感じもする。
犯人像の点と線がつながり「あいつだ！」のところもお約束ながら普通に気持ちよい。
パブリックイメージが好かれない頑張り屋さん(偏見)の吉岡里帆さんが主役なのもすんなり物語にはいれる。
猟奇殺人を追う話ながら、人生のレールから外れる、外れそう、自ら撤退しようとする者の再帰をかけた奮闘が見え隠れするのは熱い。
吉岡さんが疾走するシーンがあるのに胸をぶるんぶるルンさせるところ無いのが勿体無い、けどそんなんあったら全体的にぶれるわな。
