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シライサンのAZのネタバレレビュー・内容・結末

シライサン(2020年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

最近邦画をあまり見ていない、ましてやホラー映画なんて全然見ていないのだが、こちらの作品は安達寛高(乙一)さんが監督ということで見ることに。

唐突に呪われている女性の描写から始まるので、やはりこんな感じかとがっかりしていたが、話が進むにつれ全体像が見えてきて、その呪いの起源の設定があり得そうな内容だったのが良かった。近親相姦ってやはり重要な要素なのだな。

そして、いつまでも続くその呪いの解決方法が、意外で説得力のあるものだったのが良い。

3日に一度1人にしか現れないという設定が都合よく感じてしまったのと、目を合わせている間は近づいてこないというのも謎。あと、目は2人いた場合のどちらかが見てればいいという設定よくわからない。襲いにきている対象が違うでしょ。

目を見ている間は近づいてこないという設定は、だるまさんがころんだのようで、いかにもホラー映画的だなと思った。

解決方法のもう一つが、記憶をなくすという納得感のある終わり方だったのは好印象。若干恋愛要素も絡めててちょっと切ない。だとすれば、呪いの分散化によって何年もの間シライサンが現れない状態を作れたら、シライサンという名前を忘れることができ、全て解決するのではないだろうか。

呪いの起源はしっかり設定があったものの、あっさりとした説明で終わっていたのが残念。その辺りの内容を『リング』とか『残穢』ぐらいもっと掘り下げて欲しかった。そういうポジションの人物がちゃんといたし(記者の間宮幸太)。

久々にジャパニーズホラーを見たのだが、なかなか怖さがあった。ただ、やはり全体的に安っぽく見えてしまっているのが残念。このクオリティなら映画ではなくテレビドラマで十分だと思った。
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