ヤバいヤクザ映画かと思いきや、イカれたヤクザ映画だった。
バイオレンスを軸にしながらも、恋愛、コメディ、ホラーなど、ジャンルにとらわれない映画製作をしている三池崇史の作家性がよく表れた作品だと思う。混沌とした要素を絶妙に調和させ、シナジーを生み出す。
どの登場人物もリミッターが外れていく様が痛快。染谷将太なんか最高。ちゃらんぽらんゆえにヘマをしたかと思いきや、それをきっかけに覚醒していく可笑しさ。誰も彼も、目の前の事象を超越して、まるでこの世界に憤慨しているかのような怒りっぷり。
一応、主人公に位置づけられるのは窪田正孝だけど、群像劇の趣がある。みんなキャラがたっていて面白かった。
