どーもキューブ

新宿泥棒日記のどーもキューブのレビュー・感想・評価

新宿泥棒日記(1969年製作の映画)
4.7
大島渚の新宿ヌーヴェル青春コラボ日記



1969年創造社提供、脚本田村孟、佐々木守、足立正生、大島渚。監督大島渚。

見たかった大島渚監督シリーズ。

東宝ビデオ、ATG作品シリーズ

本作二回ほど挫折。

意味わかんなぃで挫折、停止ボタンを押した思い出。

大島渚は、みんなそうだった(私乃視聴時期が若いという理由)

松竹ヌーヴェルヴァーグ
 
なんて命名されてるから、ちょうどゴダールとかハマっていた二十代前半に並行して

つまみビデオ散策して借りてはみたものの、まあまあ気難しい、訳わからない頑丈な理論ダイアローグに嫌気がさしたもんです。

図書館で大島渚本を読んでも

「大島渚は頭が良いなぁ、そういう映画だなぁ」(60年代以前の日本映画の監督は、インテリの方が多いと調べて納得していた)
 

という感じで、ずーっと封印されていたんです。

たいむごーずばい。

オーバーサーティになり、少し分別、苦虫の味もわかった時分の自分。

「愛の亡霊」で張り手をくらい
こないだ見たコント風真面目な 死刑劇

「絞私刑」がちゃんとわかって見れた喜び!
という流れから

ビデオの レア度高い大島渚作品を探訪、ハマっている、この鑑賞シリーズ。 

東宝ビデオ鑑賞となりました。この東宝ビデオの赤と緑ジャケットかっこいいです!(今や廃盤廃棄で絶盤だよ!)



これまた面白かったですねぇ。

平たく言うと

大島渚のプライベート「創造社」8ミリ映画青春風

大島渚の製作母体、半径三メートル内の内輪才能をコラボレイトした映画であります。

時は1969年

学生運動、総括、 内ゲバ、反革対革マル、なんて言葉と暴力と頭でっかちがぶつかる若者の時代

学生運動の指標絵画作品を表現していた
若き
横尾忠則、盗みぐせな主人公

そしてそれを止め、手伝う女性、横山リエ

その場所、新宿紀伊国屋書店

そこから導かれる大島渚のコラボ風ヌーウ゛ェル青春記



「私は、アリバァバァー、ベロベロベー、ベロベロベー」
(追記!この映画唐さんの歌だけよく記憶してる!)


と意味不明な歌をがなる
新宿赤テント主催の

唐十郎の歌、

そして必見!唐の状況劇場の芝居

いやーこんな感じなんですね。状況劇場、とっても面白刺激であります、時代考証的にも一見価値あり。

奥様の李さん、若い麿赤兒さんが出ています。(大森南魚さんのお父さん)

そして本作ある意味

大島渚のゴダールアプローチ映画でもありましたね。
真似につぐ、真似という感じ。

ゴダールアプローチ映画よくある感じでありますね。(黒沢清「ドレミファ娘の血が騒ぐ」とか、)

本を 写したり

本を朗読させたり

画面上のデカテカな文字だったり

時刻を告げる字幕だったり
ジャンプカットだったり

有名人と作中主人公を直接対話させたり(「女のいる舗道」とか「軽蔑」の手法です。)

とっても自由で
とってもいい加減で
とっても感覚的で

わかりやすい映画より
しちめんどうな感覚的な映画を好むようになってしまった自分には、

良かったです!

モノクロにその当時新宿が挟みこまれ

そして大島組俳優部の
渡辺文雄
佐藤慶
のドキュメント酔っ払ってのセックストークと妄想

本当これらの時代の「酒のみ」総括的トークは、臨場感あります。こんな風に酔っ払って、喧々囂々してたんですね。

新宿に2人の泥棒は、

大島監督のコラボの渚で青春ヌーウ゛ェル風にのた打ち、変幻する。

デモ、唐劇団、東京新宿、紀伊国屋、俳優のだべり

大島渚の力の抜けた

素晴らしいプライベートフィルム


見る人によっては、どうでもよい作品

けど、ちゃんと古びてる。つまり、それは、青春映画の証拠なんです。今じゃない、その風俗を封じ込める映画こそ青春映画です。若者がでてれば良いというわけではないのです。

いやーこんなソフトな大島渚も良いですねー、

やばい唐十郎の歌が頭から離れないよー

「♪ここはアリバァバァー、謎のマチィぃぃ」



という事で

大島渚、創造社プレゼント
パートカラーに咲く

2人の1969新宿泥棒

大島監督のヌーヴェルヴァーグ風ゴダール日記

大島渚の新宿ヌーウ゛ェル青春コラボ記

ぜひご覧ください!

追記
この時期
唐十郎さんは若松こうじや唐監督作品(これも見たい「玄界灘」)もあり、映画にいっぱい出演してますね。

あと全然関係ないですが、横尾忠則さんの絵大好きです! 高倉健の画集がほしい!一万越えだけど、、、。
どーもキューブ

どーもキューブ