ボタンのかけ違いのような、細部の不接続の積み重ね。
後半で少し接続して、わかったように見えて、すぐに消える確信。
オンマ、オンマと叫ぶ10代の少女が、狭い視野と拙い行動のうちに、少しずつ世界の境界を押し広げていく。
家父長制と父権社会は母と娘だけでなく、父と息子も苦しめることを映し出してもいる。
前半、冗長する時間の心地よさや、不安定な子供の視点の揺らぎにエドワード・ヤンの「クーリンチェ少年殺人事件」や「ヤンヤン 夏の思い出」を思い出す。
輪郭は曖昧、でも色と筆致が強い。
きっと、また観たくなる。