みなこ

はちどりのみなこのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
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斜陽の使い方、陰影の使い分け、暗闇、逆光など「光」が巧みに利用されていて、美しいとしか言えないような画の中で登場人物たちの暴力や孤独、苦痛が描写されているのが、つまり、この苦痛を彼らはあたかも景色のように“当たり前のように”受け続けているということなのかもしれない。そんなことを思った。ちょうど、私の苦痛の日々を他人から見ると「人生楽しそうだね」なんて言われてしまうように、他者の痛みは他人にとってはただの風景でしかないのかもしれない。苦しいけど。本当は、わかって欲しかったなんて。終始続く日々の辛さは見ているのも苦しくて、思わずボロボロに泣いてしまったが、「上質な映画を観た。」そういう感覚がした。
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