ぐろりあ

燃ゆる女の肖像のぐろりあのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.8
見事な映画です‼️
私は男だから愛する対象としてはどうしても女性になるがこの作品を観て『愛する』という衝動にLGBTQなどの分類など全く意味を持たない程の衝撃をまざまざと見せつけ、その愛という純粋さのそのものを体験させてくれる稀な作品だった。

こんな経験はこんな作品に出会える事でしか難しいかもしれない
(我々は頭で考えて世間体や経験から勝手に決めつけるものだから)
確かに男女の恋愛は安易に想像つく
当人達は大変な葛藤や喜び、誤解や諍い、所有欲と嫉妬など…
それは自然な姿である事は否定出来ないが性による違いはあっても根源の純粋さにおいては何も変わらない。
いや、むしろ男女間とも違う純粋な愛には立場や社会など背負っている分(背負わざるを得ない立場)この作品のように純粋さが際立つし魂が震える瞬間がある。
これだから映画というものは凄い!

カメラは画家としての視点なのか正面も後ろ姿をも真っ直ぐ揺るぎなく見つめる
そして全くと言っていいくらい男性出てこない。
メインの3人の女性達で物語が進むがなんと心地よい関係だろう。
緊張感を伴ったやり取りが続くがそれは女性としての痛みや宿命を背負った男とはまた違うものを背負っている故なのか…。
ある記事によると主演のマリアンヌ役の彼女はフランス映画界において長くセクハラを受け続け大きなムーブメントは今も映画界では起こっているとの事

にしてもまぁそのマリアンヌ役の女優さんの美しいこと美しいこと〜

エロイーズはエマ・トンプソンによく似ていて、所々にコメディエンヌな印象があるところもよく似ている。
きっと達者な女優さんではないかと思う。

ラストのビバルディの『四季』に至るまでに何度も涙が滲むような魂の芝居が続いていく。
正に必見の作品です。

全集中の呼吸(笑)で劇場にてご覧頂きたい作品です。
ぐろりあ

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