ぐろりあ

ありふれた教室のぐろりあのレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
3.4
視覚で捉えたものは真実であると断言出来るのか?
人々の無駄な言動は解決に役立つのか?
わからない事があると方程式や民主的が人を幸せにするのか?
教育者は子供を救えるのか?

ものすごい疑問を見せつけてくれました。

見事なほどに物事が悪い方悪い方へと転落していく様は苦しく堪らなくなりました。
ドイツが舞台であっても教師という仕事を考えると…何処も辛いと思います。
物事を荒立てず、歩み寄ろうとする程に違う方向へ向かっていく、これは空気を読むとか腫れ物扱いとは全く違って…初動の過ちなのか…。
そしてだんだん子供達の方へ痛みや不穏が広まる様はなかなか辛い
教師の無力感てん
でも学級崩壊や校内暴力…よくわかります…今からしてみれば…。
大変な仕事です…
でもこの映画は教師と子供とのマニュアルでは対応出来ない人間同士のぶつかり合い(形や手段は違っても…)から微かな歩み寄りからの兆しを感じる瞬間にこの作品の何たるかを感じとりました。
なかなか面白い作品です。
結局我々観客に委ねて自分の頭で体験させ、見終わった時に何が残るか?
リトマス試験のように浮き出させてくれる作りが面白いですね。

閉鎖された教員部屋はまるでSNSそっくりな荒れ方…
人間の弱さも炙り出してました。
辛い息苦しさの先に
私は泣きそうになる瞬間がこの作品のツボでした。
教育者とそれを学ぶ子供…ほのかな未来が一瞬…
…からのラストは…日本では作れないラストカットに立ち向かう尊さみたいに見えました。
これから皆さんの意見が気になります。
ぐろりあ

ぐろりあ