繊細だけど、まさに燃ゆる炎のように熱くて、
繊細だけど、決して儚さとか脆さのようなものは感じない、不思議な感覚の映画だった。
大きなテーマで括ってしまうと、同性愛とかこの時代の女性の不自由さとか求められるものとか、そういうものになるのかもしれないけれど、あまりそういった点に印象深さは感じなかった。それはただありのままの事実として描かれているだけで、2人の女性の話、という印象。
台詞があまり多くなくて、その代わりに絵画や風景や表情での表現から受け取れるものが多い。
海辺の景色と、祭りの夜のまさにドレスが燃えてしまうシーンは、切り取った絵のように美しかった。
何より印象的なのは、視線だった。
視線が交錯する、ただ見つめ合うって、こんなにも自分の内側を晒け出してしまうもの、感情を溶かしてしまうもの、官能的なものなのかって思った。
女性3人で過ごした数日間はすごく楽しそうで良かった。
あの日々は2人ではなくて3人でないと過ごせなくて、その中で読まれていたギリシャ神話にもう少し知識があったら良かったな、と思った。