「自分の弱さを知った今、他人の弱さも理解できる」
ヒトラーへの忠誠を誓うことを拒否したがために処刑されたオーストリアの農夫フランツ・イェーガーシュテッターが、妻に宛てた手紙に記した言葉。命を賭してまで信仰を守りぬいた人物が、自分の弱さを見つめ、他人の弱さを理解しようとしていたことに胸が詰まる。
名もなき農夫の生涯について知ることが出来てよかった。
とても重い題材の映画であるのに、映像美に魅せられる。
愛する家族と共に汗して働き、つましくも幸せに暮らしてきた農夫が、なぜ最愛の家族を遺して、この美しき世界から旅立たねばならなかったのかと思うと悔しくなる。
それでも希望を感じさせられるラストに胸を突かれた。