名もなき生涯の作品情報・感想・評価・動画配信

「名もなき生涯」に投稿された感想・評価

 「歴史に残らないような名もなき生涯を送った人々によって、歴史はさほど悪くならない」
エンドロールの言葉。オーストリアの山村で農業をして暮らす夫婦。夫が戦地への召集を拒み続ける。英雄でもない、名の知れた人物でもない1人の農夫の生涯。
 ヒトラーを崇拝出来ず、戦うことに疑問を持ち、一度は召集に応じたものの2度目は拒み続ける。だんだん村八分にされ、家族も辛い目に遭っているけど信念を貫き通す。勾留されても決して曲げない。なんと強い信念だろう。奥さんも辛い思いをしているのに理解を示す。なんて強い愛なんだろう。
 オーストリアの自然がとても美しく⛰、会話を控えてお互いの手紙でストーリーが進む。トーンがとても切ない。
 観ている途中で、この雰囲気、観たことあるような、、、と感じた。モン・サン・ミシェル、、、「トゥ・ザ・ワンダー」会話を抑えた過去を振り返る文章で、切なく展開する物語。手法が何処となく似ている。同じ監督作品なんだ!なるほど納得。他の作品も観てみたい!
ひでみ

ひでみの感想・評価

3.8
オーストラリアの風景良かった。ナチスに従わなかった農夫とその家族の物語。ちょっと長め。
martin

martinの感想・評価

4.0
歴史に残らないような行為が世の中の善を作っていく。
名もなき生涯を送りー 今は訪れる人もない墓にて眠る人々のお陰で、物事がさほど悪くはならないのだ。

「さよならフランツ
また会いましょう。
山の中で」
圧倒的な映像の美しさ。凄すぎる。
ヒトラーに忠誠を誓いますか?の問いに、はいと言えば簡単に終わるのに、それを拒んだオーストラリアの農夫。
彼の信念と家族の愛が美しい。

敢えて訳してくれない部分が多くて、めちゃくちゃ叫んでるのに何を言ってるのか分からないからすごく静かなシーンに見える。
これは叫ばれてる人間の心が静かだからなのかな。
言葉の意味が分かっても、その人にとっては意味が無い、そんな感じなのかな。

オーストラリアの空、木々、山、水、畑…全てが美しくて見てるだけで涙が出そうになる。
特にラスト5分間の映像は鳥肌立つほど綺麗。

全部が理解できたわけではないけど、観て良かったな。
ロバかわいい。
arch

archの感想・評価

4.3
テレンス・マリック作品の中でも「シンレッドライン」「ニューワールド」に近い"時代"を描いた作品であり、そして新境地に踏み込んだ作品でもある。
後年のテレンス作品は、どれも世界の中心で愛と孤独を嘆く男女の物語であった。まるで世界には自分と相手、そして独白を聞いてるはずの神、それしかいないような世界がそこにはあった。
しかしこの物語は時代を描いており、そして時代に翻弄された名も無き誰か、つまり"端"に焦点を当てている。特に「シンレッドライン」の感覚に近いものがそこにはあった。
映像感はルベツキに近いがイェルク・ヴィトマーという新たな撮影監督と組んでいる。そこにはもしかしてこれまでの作風から脱しようとする意志があったのかもしれない。特に本作はいつもの男女のイチャつきではなく、「異端の鳥」のような第二次世界大戦下のドイツにおいて、これまで描かれなかった市井の民にフォーカスしていることに攻めの姿勢を感じる。

彼の行動は何をもたらしたのか、一なる全、ミクロとマクロの接続、これまで、微かな祈りが天との繋がりうることを示したマリックだが本作においても変わらない。

名も無き小さな正義は世界を変えたのか。独白のように、その答えは宙への消えてしまうのだろうか。
Z

Zの感想・評価

3.6
「あぁ、そういえばあんな人いたなぁ。」

偉大だったり、歴史に名を残している訳ではないかもしれないけれど

たまにでも思い出したくなる人

このレビューはネタバレを含みます

<死を賭して善を問う殉教者の祈り>

第二次世界大戦下のオーストリアで、占領国であるナチスドイツへの忠誠と兵役を拒否して、神に殉ずることを選び処刑された男。周囲の多くが“形式的な妥協”を勧めたが、それを頑なに拒み、男の決意の固さを知った妻はそれを受け入れる。
戦争の罪悪と男の主張の正しさは理解するが、同時に無謀な抵抗であって誰も幸せにしない、と観客の誰もが思う。
家族を捨ててまでという頑なな思いが理解できず、死を選ぶことも罪ではないか、もっと賢明なやり方はないのか、と考えてしまう。
極論だが、どうしても自分の意志を通したければ、ヒトラーへの不服従を胸に兵役に就いて、戦場で身をさらして戦死を遂げれば、家族は戦没者の遺族として厚遇されるはずである。
この哲学的宗教映画は、なぜ脇目を振らずに神に殉じたかを問う。ラストシーンでやっと答らしきものに出会った。
運命の日を迎え、村には鐘の音が響き渡り、村人たちは彼のために祈りを捧げた。その時、死をもって兵役拒否の意志を貫いた彼を、もはや誰も“裏切り者”と呼ぶことは出来ない。村人の葛藤らしきものが感じられて、そこにわずかな希望を見た。
彼の行為が人々の善意を目覚めさせ、深い信仰の意味を示したとするならば、犠牲を払って抵抗した意味が見出せるのではないか。
善なるものと信仰への思いを各人が共有し、それが人と人の繋がりを促すものであるならば、そこに宗教的役割は存するのではないか。
信仰なき者には理解困難だが、こんなメッセージと受け止めた。
映像が素晴らしい。ワイドレンズで壮大な自然をとらえ、極端な接写で人物の存在感を際立たせ、カメラは縦横に移動して自然に位置する人物を追う。自然光のみでの静謐で荘厳な映像に圧倒される。
長尺だが、信仰を守って生きる困難さを描くには必要な時間だったのかと思う。
※映画のあらすじはブログ『偏愛的映画案内』をご覧ください。
加藤生

加藤生の感想・評価

4.6
手を動かして仕事をすることの素晴らしさと、神への愛を諦めないこと
三人娘がかわいすぎ
ami

amiの感想・評価

4.0
《WOWOW》

“手は縛られているけれど
意思が縛られるよりいい”
くれあ

くれあの感想・評価

2.5
自然が美しすぎる…
セリフ少なめカット多めの変わった構成だけど、ストーリーが落ち着いてるからバランスが良いのかも。

主人公のささやかな善行と最後の詩が刺さる…
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