Ken

キーパー ある兵士の奇跡のKenのネタバレレビュー・内容・結末

キーパー ある兵士の奇跡(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

想像してた内容と少し違ったけど、面白かった!
戦争が生む悲しみに触れながら、元ナチス兵のトラウトマンの生涯を描いたヒューマンドラマ。

そうきたかって感じ。「42」みたいに、もっとチーム内での軋轢、普段の暮らしで受ける迫害にフォーカスを当てても良かったかなって途中思ったけど、ラストまで観ると、これはこれでありか!って思えた。あくまでもトラウトマンがメインの話では無く、戦争が悲惨さ惨さ、悲しみにもフォーカスが当てられてたのが良かったかな。

トラウトマン同僚のフォワード意外と良いやつじゃん。PKで勝負するとか、ピュア過ぎて笑ったよ笑。PKが終わった時に、ムカついてバートに切れてる場面でも、決して彼のことをナッツィーって呼ばなかったところでグッと来た。てか、お別れ会までやってくれるなんてびっくり。やっぱりチームと仲良くなるまでの過程をもう少し描いてくれてても熱かったかな。

バートがフレイアの部屋に行こうとするのを必死に止めようとするお父さんが可愛かった笑。そして、フレイアフレイアで、バートが部屋に戻って来たら部屋に居るとかずるいわ笑

スマイス軍曹、めっちゃ嫌なやつだったけど、彼もまた息子2人と奥さんを戦争で失ってたのね。お父さんも言ってたけど、イギリスとドイツ双方ともに、皆傷ついてたんだな。戦争は、終わった後でも生きてる人達に大きな苦しみを与えるものだって事がよく分かる。

戦時中に、悲しくも死なせてしまった子供の話には驚き。そう言う事だったのか。そりゃ自分の息子が亡くなったのも、そのせいだと思ってしまうよね。あの事故はショック過ぎる。。ここに来ても尚バートに辛い思いさせる神様っていったい。。でも、奥さんも言ってたけど、バートだけの話じゃないよね。奥さんも同じように悲しんでる。バートの責任とかそう言う話じゃない。

バートが復帰したときの周りからの歓迎には感動した。それだけ認められてるし、愛されてる選手になったんだなって。マンCに入りたての頃からすると、想像も出来ないよね。彼が自分の実力をプレーで示すことで、少しずつ認められていき、入団当初の大バッシングから大歓声に変わったののにはグッと来た。同じ場所のはずなのに、見える景色が180°違う。

こんな凄いサッカー選手がいたなんて知らなかった。プレミアリーグで、外国人として初めてMVPを取った人だなんて、本当に凄い。サッカー界はもちろん、イギリス国内にとってもこれは大きな前進だったと思う。

バート•トラウトマン、本当に波乱万丈な生涯だった。後に更に息子2人が生まれて、家族4人で幸せに暮らせたそうで、良かった。奥さんの方が結構早くに亡くなってしまってるけど、その後も元気に生きてくれてたと願いたい。
Ken

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