弥生座

レ・ミゼラブルの弥生座のレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
3.5
調べてみたら、フランスの人口の20%が移民系、アフリカ系やアラブ系(ムスリム)など多様。
その内役40%がアフリカ系。
また、ど田舎でなく大都市やその近郊に居住。

なるほど。

その多様性の関わり方が巧みに交差した脚本になっていた。

主人公側の警官の構成は白人2名とアフリカ系1名の3人。
清廉潔白な人間では無いが、それは誰も同じ。自分の立場も守りたい。

最初の方のバス停でのリーダーの理不尽な少女への尋問、これも後からリーダーの家でのシーンでわかる気がする。

仲間のアフリカ系警官がアフリカ系少年に過ちを犯すシーン。
もし我々日本人が同じ環境で同じ立場だったら、少年が日本人であっても同じ事をしてしまう可能性は充分にある。

少しこの映画の気になる難点は、
そもそも少年は犯罪を犯してる。
(それを守ろうと犯罪を弁護するアフリカ系組織のボス?の言葉も問題提起ではあるが一理に過ぎない)
少年はリーダー的存在に思えないのに、
周りがあのようになるのか?
そして少年の最後の行動は独善的に思えた。ヤバイぜこの少年、という感じ。
(実際にどういう結果か描かれていないが)

冒頭の群衆がW杯優勝で"幸せな"群衆心理。
ところどころでアップになるのはアフリカ系。
最後はその対比的な群衆?の心理と行動。

ずっと考え続けてしまう。
弥生座

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