えちぜん

家族を想うときのえちぜんのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.1
ほんと、現代の貧困てのはパッと見ではわかりにくい(昭和なら身だしなみで一目瞭然だった)だけに根深い問題ですわ。愛があるゆえに、努力するゆえに、しんどくなってゆく。映画の進行に伴ってズブズブと重苦しい気持ちに。ケン・ローチの静かな怒り。

搾取社会とあわせて、ネット通販にもチクリと風刺。日本のみならず、世界中で同じなんすね。私の勝手な意見として、「ネット税導入」ってムリでしょうか。お店に行かなくても届けてもらえるんだから、むしろネットで買う方が割高であるほうがフェアでない?

有名俳優でなく市政の人に演じさせるリアリズム。特に「北風」な父親に対する「太陽」の母親役がいいね。天性の母性愛というか。

最近、いい加減「資本主義」に疲れることありますわ。売上をのばすのは面白さがあるが、収益を伸ばすのは効率化になる。このルールで勝ち組になるには搾取する側にならんといけないのか。それはつまり、他人に敬意を払わない社会ではないのか。近年の話題作はこのテーマばかり。そろそろ、便利を追求することは、巡り巡ってしんどい役割をおしつけられてることに気づいてきたよ。
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