YoshiMia

家族を想うときのYoshiMiaのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.1
“Sorry We missed you”

“ケン・ローチ風”という代名詞で伝わるような実に彼らしい今作。
見終わった余韻が凄すぎるのよ…

今が踏ん張り時だと、家を購入する為に車を買いフランチャイズの宅配ドライバーを始めた父
働けば働く程儲かる
ノルマは多く、トイレは尿瓶
母は介護福祉士。たった一つのマイルールは
“自分の母だと思って扱うこと”

働けば働くほど子供達とすれ違い、ある事件に巻き込まれ…というストーリー。




この家族
家族円満仲良しファミリー!!
って訳ではないんだけど、会話に笑いもあり
目に見えにくい愛で溢れていたのが印象的だった

娘のライザは家族のアイドルで
息子のセブは反抗するけど、根がいい奴なのは皆知っている
母のアビーは聖母のようにおだやかで
家族の潤滑油だし
父だってなんら悪くない
少し口が悪くて不器用なだけで。



そんなどこにでもいそうな家族が
クイックサンドに埋もれていく様は
リアリティに溢れていて
辛く苦しい以外に言葉が見つからなかった


誰にでも起こりうること。



Sorry we missed you
って不在通知に書かれてる言い回しなんだけど
いろんな意味で今作に合っていたから
原題そのまま使ってほしかったなー。





弱者に漬け込むような法が改正され
リッキーのような境遇の人達の未来が
明るくなりますように。
YoshiMia

YoshiMia