スナウト

リトル・ジョーのスナウトのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・ジョー(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

雅楽をそんなふうに使うな!!!!
もう、怖っ、怖いわ〜……
笙に音のない尺八に、後半押し寄せてくる犬の怨念鳴声……そんでエンドロール途中で音が厚くなったなと思ったら気の抜けた陽気なHappiness Business……情緒……
雅楽系のオリエンタルサウンドに対して、アリスにカラフルな服装に家にド洋な画で、そのアンバランスさ含めとてもザワザワした。正しい判断です。

配役が完璧。ベンウィショーピッタリだし、アリスもベラもカールもカウンセラーも良い。いそう。
リトルジョー、見れば見るほど花に見えん。
カールの青い花パート2もわりと毒々しいカラーリングだったけど、リトルジョーの圧倒的得体の知れなさを前にするとかすむ。
造形もよかったし、花粉出す前開く時のパリパリ音とかアリス家でのライティング・壁色とのコントラストとか、演出も◎。
オープニングクレジットも独特だし、出だしからザワザワ感煽ってきてドキドキしちゃう。

内容に関して欲を言えば、ジョーの変化をもっとわかりやすく描いてほしかった。母子のやりとりをもうちょい長めにして、ベラの言ってた「見た目は同じだけど中身は別人」なのを見る側にも自然と感じさせてもらえるとよかったなぁ。アリ殺しみたいに露骨なのじゃなく、端々の端で引っかかりたかった。

ミニシアターっぽい空気感だし映画館の音で見るのもよかったけど、夜ふらっと行ったTSUTAYAで借りて深夜にちっちゃい画面で見るにも良い映画だと思う。すてき。