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リトル・ジョーのネのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・ジョー(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

香りを残すために生殖機能を絶たれた花。その花は、自らの子孫を残すために、花粉をもって人間を支配し始めた。
気が触れたり、制御のできない状態になってしまうわけではない。アレルギー反応も出ない。しかし「なんだか微妙に違う人」になってしまう。リトル・ジョーを守るためならどんな手段も使う。
その危険性を疑おうものなら、反対に精神が安定しない人間だと評価される。

感染した人間がどうなるのか、を期待して観に行った。結果、どうにもならなかった。感染を疑うものは端から潰されて、もしくは無理やり花粉を嗅がせて“あちら側“の人間にされた。

そもそも未認可のウィルスを使用して実験したことが引き金になっているのだが、科学はそういう未知の扉をじわじわ開いていくものだ。未認可かどうかは別として、新しいものを既存のもので調べるには当然抜けが出てもおかしくない。リトル・ジョーの世界なんて実はすぐ側の話なのでは?

和楽器を使った音楽は、日本を舞台にしていない以上不釣り合いで、これがまた奇妙な気持ちを誘発する。不協和音も多い。
ただ、原色に少し黒を足したような、深みのある赤・紫・ピンクといった色合いは、確かに日本におけるグロテスクやフェティシズムの方向に近いものを感じた。不思議な感覚。
(いささか暴力的だけど、ニナミカが好きそうな色彩やライティングだった)
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