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マティアス&マキシムのkassyのレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
3.7
最速オンライン試写にて。

幼馴染みのマティアスとマキシム。仲間うちで盛り上がる中で、映画撮影でキスをすることになる。そのキスで2人の思いは変化し…

グザヴィエ・ドランが『君の名前で僕を呼んで』に感銘を受けて制作された本作は、「母と子」というテーマから旅立ち、「友情、からの恋愛」をテーマに、グザヴィエ・ドラン流の青春恋愛映画となっている。本作でも母と子の関係は描かれるが、対立する親子関係の描き方もそこまで突き詰めてヒリヒリとは描かれない。それ‪は友情があるからなのかもしれない。

直接的な言葉で想いを吐露したり、想いをぶつけたりすることは少なく、目線や空気で2人や周りの人の変化を敏感に感じ取らせる作品となっている。仲間と馬鹿騒ぎしながらも2人は目線を送りあい、そんな2人を見守る家族や友人(特にリヴェット!)の目線もまた気になる作品となっている。

葛藤する2人の抑圧された想いが爆発した時にはハッとし、言葉で表さない2人の歴史が感じさられるシーンもまた良い。窓の演出も見逃せない。

ただ、一度見ただけだと意図がわからないセリフなどもあり、何度か反芻したいくらいだった。

ポスターのキスシーンの鮮烈な美しさと、ラストシーンの爽やかな笑顔が余韻を残す映画である。
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