みほみほ

ファルコンのみほみほのレビュー・感想・評価

ファルコン(1999年製作の映画)
3.8
💥2020年184本目💥

見終わった瞬間に言葉を失った。国を変えるという事の本当の重みを味わされ、絶句。 

終始 死の香りが漂う緊張感が不安を煽るので、結末は想定内ではあったが、しかしやりきれない。国に怒ったら良いのか…マフィアに怒ったら良いのか…矛先が微妙なところが、このマフィア問題の要であって、難しいところなのです。

マフィアを相手に、危険な状況の中で奮闘し、立ち向かっていくファルコーネ達の闘いはすごい見ものでした。ストーリーが特別面白いわけでもないけど、すでに構図が完璧なので、不穏な空気と緊張感が素晴らしい。それと対比で、ほっこりする日常生活が映し出されるのも、嵐の前の静けさみたいな感じでとても良い。
何故恋人を作ろうとしないのか?ファルコーネの危惧する不安が痛いくらい伝わるんだけど、でも実際は彼女(後に妻)の存在が、ファルコーネにとっていかに大切かを実感する。(ファルコーネもあんなにフニャフニャな顔するんだね💕笑)

緊張感の中にも、クスッとするシーンや平和なシーンもあるので、心の緩急はバランス良く満たされるのだが、なんせマフィアが容赦ないもんだから、こんな振る舞いを見てしまうと……何が「ゴッドファーザー」だ…??!!何が男の美学だ…?!ふざけんな!!と頭に来てしまう。(お前らなんてただの人殺しじゃねーか!と。)

マフィアはマフィアでしかない。それも恐ろしい【シチリア】のマフィア……


ファルコーネの信念の強さにも驚いたけど、平気でマフィア側に回ってしまう国の権力者の多さにも驚かされる。何かあればさっさと粛清されちゃうのにね……。内部に敵が居るって本当に恐ろしい事です。ファルコーネもあの相棒も護衛も、良くやったと思います。結果的に国を変えたのは、あなた達の勇気ある行動の成果なのですから…。


最近、HBO製作映画が私の中で大ヒットしてて、好みのど真ん中を突いてくるので、映画LIFEが充実しつつあります。実話ベースの題材が多く、本編がそこまで長くないのにも関わらず、しっかり社会派で魅せてくるので、もうたまらんのです!!最高です!ありがとう、HBO!!

HBO製作映画でここ最近観た、「私がこわされるとき」「トゥー・リブ・アゲイン」も大満足だったので、期待を裏切られる心配もありません。(今のところは)

映画のタイトル画像に、HBOのロゴを見かけると、反射的にその映画が気になる身体になってしまいました…(笑)

HBOのロゴが入ってなくても、きっと今まで知らず知らず観ていた作品なんかもあるんだろうな…。制作会社などの事は詳しくないので、よく分かりませんが、HBO製作が好みって事だけは明確な事実なので、これからも掘り出し物に出会えるのを楽しみにしています⭐


「シシリアン・ゴースト・ストーリー」を見て、ジュゼッペ事件を知ったので、マフィアにはただただ腹立たしい気持ちでいっぱい。ファルコーネもジュゼッペも、残忍なシチリアマフィアの被害者である。マフィアなんかきっとろくな死に方しないと思う。消えてしまえ。
みほみほ

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