るるびっち

シェイクスピアの庭のるるびっちのレビュー・感想・評価

シェイクスピアの庭(2018年製作の映画)
4.0
シェイクスピアはジョージ・ルーカスである。
二人とも同時代の作家たちとは、桁違いの富を築いている
彼は二束三文の劇作料よりも、劇場の株と不動産投資で稼いだ。
ルーカスも安い監督報酬より、スター・ウォーズのキャラクターグッズの商品化権を抑えていたので資産を築いた。
どちらも独創的なクリエイターの才能を持ちながら、実業家としての先見性で富を築いたのだ。
空想力と実業家の顔、二面性を持っている。
だが、どちらも家庭的には幸福ではない。
ルーカスは妻に浮気されているし、シェイクスピアは息子を失くしている。

そうした文豪でも資産家でもない、家庭人としてのシェイクスピアに光を当てた作品。
シェイクスピアは造語を沢山創り、英語に影響を与えている。演劇でも、悲劇と喜劇を混ぜ込んだロマンス劇というジャンルを作った。
この辺もルーカスがILMを作り、その後のSFXに影響を与えたこと。スター・ウォーズ以後、エンタメSFというジャンルを押し上げたことと共通している。

自分の才能を継ぐであろう息子の死を、認められないシェイクスピア。
才能だけを見つめて、共同体・家族などを顧みなかった。故に妻と娘に恨まれる。
息子(才能)を愛することで、女の仕事は家庭と位置づけられていた妻や娘を傷つけていたのだ。
世界を描きながら、足元を知らなかった無知な男。
晩年に家族と和解する。不世出の才能は一代限りで終わったが、家庭という別の安らぎを得たのだ。
やっぱルーカスやないか(会社を売って再婚した)!!
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