ただ一つの作品として以上に色々と考えさせられてしまった映画。第二次戦争はグッドウォーと呼ばれがちだが、その地獄相とドス黒さはどんな戦争とも差などありはしない。さらに暴力表現の半端なさは映画史に残る程の物だが、本作が非難されることはまず無い。そのことが暴力に高級と低級があるのだろうか?と考えさせられてしまう。そしてスピルバーグという監督の本質も考えさせられる。ヒューマニズムと極悪さ、この恐ろしい矛盾を一身に抱えている彼の奥深さは、私にはまだまだとても汲み尽くせないゆえにいつまでも興味を抱かざるをえない。