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プライベート・ライアンのatsukiのレビュー・感想・評価

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)
4.0
戦争を体験した人達が高齢になっていき亡くなっていく中、戦争の恐ろしさを伝える1つのツールとして素晴らしい映画なのかもしれない。この映画を見て戦争をやろうと思う人なんて絶対にいるわけないし、戦争に限らず紛争やテロなども含めて恐ろしさが伝わってくる。

この映画は戦争映画を変えたとも聞いたことがある。それはノルマンディー上陸作戦を描いた冒頭20分のシーン、敵の砲撃や銃撃や地雷を受けて今までなら血が飛び散るだけかもしれない。違う。この映画は血ももちろんのこと手足はもげて、顔はグチャグチャになり、腹からは臓器や腸が飛び出でいる、血で染まった赤い波がそれらの死体を揺らしている。これこそが今まで書いてきた映画の凄さだ。

中盤でアメリカ軍とドイツ軍が争ってるわけで言葉が通じず意思疎通が出来ないから助けてくれとも伝わらずに殺しあうとう悲しい場面。違う国で戦争しているわけだけら当たり前と思うかもしれないが人間としての尊厳を失っている。お互いに人間なのだ。自分たちが生き残ればいいと。あの場面ではどちらの国も相手を人間だと思っていないと思う。止めようとした人もいた。戦争はそんな感覚も失わせるものだと感じるシーン。

ラストの戦闘シーン。補給係のアパムは補給してくれと言っても戦闘経験がなく怖じ気付いてしまい出来ない。アパムが補給してれば…補給しろよ…と思うかもしれない。だがアパムという存在は戦争を経験したことのない観客、つまり自分を映し出したような存在。自分が戦場にいったらどうだろうか?自信満々の奴もいると思う。しかしあの残酷で恐ろしい戦争の舞台にたったらその自信もくだけ散るだろう。自信がない奴もアパムと同じ状況になる。

もう2度と戦争をしないためにもこの映画を見るべきかもしれない
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