maverick

フリー・ガイのmaverickのレビュー・感想・評価

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
4.6
2021年のアメリカ映画。ライアン・レイノルズ主演の、ビデオゲームの世界を題材とした物語。


ゲームの世界の話というと、ディズニー映画の『シュガー・ラッシュ』を連想させるが、あちらがゲームの主要キャラたちで構成されているのに対し、こちらはモブキャラクター(NPC)がメインの話だ。ゲーム自体も自分の分身をキャラクターとして作成し、オンライン上で他のプレイヤーたちとマルチプレイを楽しむタイプのもの。プレイヤーは街中で自由に好きなことをやれるが、主流なのは暴力行為や破壊行為。世界観としては『グランド・セフト・オート』に近い。街中で警察との銃撃戦やカーチェイスが起きたり、ミッションとして銀行強盗が起こるのは日常茶飯事。そんな世界で規則正しいルーティンを行って生活しているモブキャラたちの話だ。

主人公はモブキャラの内の一人。真面目な銀行員のキャラクターだ。その彼に自我が芽生え、ルーティン以外の行動を取るようになる。そして彼はこの世界に隠された大いなる陰謀と戦うことになる。

面白いのは主人公が暮らすゲームの世界と、それを管理しているゲーム会社とプレイヤーたちのリアル側の世界が交差するという描き方。主人公が起こす行動が、リアルの世界で大きな影響を与える。ゲームの住人とリアルの人間とが、目的のためにひとつとなる一体感が感動的だ。モブキャラの主人公と、プレイヤーキャラとのロマンスもあり。脚本も上手いし、それを活かした表現力も見事。ハリウッドの映像技術があればこそのリアルな世界観だった。

ライアン・レイノルズだからこそ本作は面白い。コミカルさは抜群であり、なおかつ悲哀に満ちた部分でも作品を引き締める。そして勇敢に戦う姿はヒーローそのもの。『デッドプール』のイメージでお騒がせキャラな印象があるけど、本人は気取らない愛嬌のある性格で好感度が凄く高い。この主人公にもぴたりとハマっていた。元々好きな俳優だけど、本作でもっと好きになったな。

ヒロイン役のジョディ・カマーがとても可愛い。『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のジョー・キーリー、『ゲット・アウト』のリル・レル・ハウリーも良い味を出している。ライアン・レイノルズ以外の主要キャストはこうした若手を使いながら、カメオ出演が非常に豪華なところで上手くバランスを取っている。小ネタも含めて大サービスぶりが凄い。親会社がディズニーだからこそ使えるネタもあってびっくりだった。ゲーム好きには嬉しいイースターエッグも多数仕込まれていて、めちゃくちゃ楽しい映画だったな。


興行的にも大成功で、続編も検討されているようだ。続編は是非作ってほしいし、絶対観たい。楽しいし感動できるし、こういう映画は元気をもらえるね。ほんと最高だった。
maverick

maverick