Ayaka

朝が来るのAyakaのレビュー・感想・評価

朝が来る(2020年製作の映画)
3.8
予期せぬ妊娠で授かった我が子を手離さざるを得なかった少女と、特別養子縁組という制度によって待望の"我が子"を迎え入れることになった女性。
2人の母が繋ぐ、いのちのバトン。

実の子に虐待してしまったりとか、
愛情が全くない親も中にはいるのだろうけど、
少なくともこの作品に登場するのは、血の繋がりは関係なく、"我が子"を心から愛している人たちばかり。
だから苦しいのですよね…

「親が子供を選ぶのではなく、子供が親を選ぶための制度」
「自分では育てられないんだけど、それでもなぜか、育ての親に嫉妬してしまう」
「私たち(養親)と、生みのお母さん、3人で大切に育てていく」
ドキュメンタリータッチの自然な映像で紡がれていくそんな言葉たちがすごく印象的で、心に重く響きました。

永作博美さんと井浦新さん演じる夫妻のナチュラルな感じはすごく素敵だったし、ひかりを演じた蒔田彩珠ちゃんの演技力と雰囲気にも惹き込まれました。
浅田美代子さんの、この人なら信頼できるって心から思えるようなあたたかい眼差しと優しさもとっても良かった。

清和さんがお酒に酔いながら子持ちの同僚にかける「子供を授かれるって、奇跡だよ」という言葉が全てだなぁ、と思いました。
本当に当たり前のことではなく奇跡で、だからこそ、全ての子供は生まれてくるとき、「どうして」ではなく、「おめでとう」と言ってもらえる権利がある。
私はまだ子供を授かった経験はないけれど、将来もし親になれたとしても、ずっと忘れたくない作品になりました。

C&Kによる主題歌「アサトヒカリ」も、タイトル・曲調共にとても素敵な曲。
ただちょっと使い方がくどい気もしましたが…
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