KnightsofOdessa

朝が来るのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

朝が来る(2020年製作の映画)
3.0
[太陽に手を伸ばしすぎでは…?] 60点

原作未読。河瀨直美二本目。マリック崩れっぽくて尽くスベってる風景ショットがやたら差し込まれるのと、物語として寄り道をしすぎなのとで、全体的に尺を食い過ぎている感じがするが、流石は東京五輪の記録係ということでカンヌ2020に選出されているのは最早不思議ではない。宇都宮の初デートで石の話をしたというクソどうでもいい挿話を、後からちゃんと回収するとこで爆笑してしまった。旅館で見るテレビ番組もテロップもワイプも番組名もなくて、非常に嘘くさいし、それに呼応する形でベビーバトンの入居者にインタビューする的なシーンの意味不明さにも困惑する。裏設定まで丁寧に考えたから全部載せますじゃないんすよ、そんなもの良くてパンフレット止まりっすよ。矢継ぎ早なシーン転換とか、感情で煙に巻く感じとか、全体的な志は『ノマドランド』にも似ている気がする。

"一本の電話から始まるミステリー"とする宣伝が正しいのか知らんが、結局その"一本の電話"に至るまでの前日譚が二種類並べられるという部分に引っ張られすぎて、上記の通り対比を意識しすぎている気がする。一つの事象にそれぞれの視点が加わるのは中々面白い演出だと思うが、毎回やった上で記憶まで引っ張り出してきて、更には時系列まで乱すのはやりすぎ。もうちょっと整理して長くて110分にはまとめて欲しかった。

水崎綾女しかり、本作品の蒔田彩珠しかり、女優の好みは雑に一致しているのがちょっと腹立つわ。

追記
それにしても妊娠させた相手がなぜ野放しなのかが気になるな。
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