オル

カイジ ファイナルゲームのオルのレビュー・感想・評価

カイジ ファイナルゲーム(2020年製作の映画)
4.0
圧 倒 的 タ ツ ヤ ! !

先に一言。だからこのアプリのあらすじ誰が書いているのさ、オリンピックの後、景気が恐ろしく失速ってそもそも、景気は今現在良くなってないんだよ。
オリンピックの影響で今がやたら景気良いみたいな表現はやめたまへ。

言わずと知れた人気ギャンブル漫画『カイジ』シリーズの実写映画化第三段。

本作は原作にはなかった、新たなギャンブルを用意しての堂々参上!

あれ?十七歩麻雀は…うん、潔いね、たいして評判のよくないギャンブルは切り捨てていくスタイル。

これ以上、本当に続編は作らなさそう。

良くも悪くも実写版カイジだった。

本アプリの評価の微妙さが映画の内容を物語っていると言っても過言ではない。

やってる事はいつもと同じような事だし、原作者は出しゃばるし。

ちなみに前2作を鑑賞した後、観ると導入がスムーズ。

それからBGMは要チェック。

ネタバレをする前にこれだけは言っておこうと思う。

圧倒的役者の無駄使い。
ここまで役者を活かせていない映画は
類を見ない。映し方や演出の問題も然り、ストーリー展開も然り、何から何まで勿体無い。

役者の配置においては文句しかない。
特に福士蒼汰という素晴らしい役者をメインに押し出しておいて全く、活かせていないのは映画が悪い。

福士君の演技は実に見事だった。福士蒼汰の敵役としての新たな演技幅の見せ場だったのに台無し。

それからあらすじ、キャスティングは例によって見ないで行くが吉。
パンフレットも見ないでくれ。
頼む、頼むから。

ネタ割れてまうやろ、こんなん。

あらすじは私が代弁すると東京オリンピックのせいでインフレが止まらなくなった日本は財政難。そこにカイジ立つ。

どんな話だい、一体。

しかし、東京オリンピックが日本を駄目にしたみたいな表現の仕方、世論的に大丈夫なんですかね、危ない橋渡ってる気がする。

ネタバレ前の最後に、パンフレットにSKY株式会社の広告はいりません。やめてください。

以下、圧倒的ネタバレとざわざわっ












おい!全然『ざわざわ』しないじゃないか、製作者サイドどうかしてるんじゃないか。

これは脚本が悪い。

原作者が携わっていながらこの体たらく、納得いかない。

現実と虚構の描き方が下手。
あの高さから落ちて周りの観客に血が飛び散らないわけがない。

その他、表現が雑すぎる。
一枚30万円する金貨を貧乏人があんなにポンポン投げるか?しかも、たかだか金貨数枚であんなに振り子が傾くかという話。

個人的には推しメンとして前田公輝の悪役っぷりと瀬戸利樹のモブっぷりに多少の嬉しさを感じた。

それからノーチェックだった関水渚は可愛いし、役柄に合っていた。

タツヤは言うまでもないが吉田鋼太郎も香川照之に劣らずかなり熱いキレっぷり、この人はこういう役が適役。

こう言ってると役者活かされてるじゃないかと思われるだろうが、全くそんな事はない。

ただ、単純に役者が頑張っていただけで構成次第でもっとキャラクターが立っていた。

まずはそもそもの話から。

そもそも、カイジを全面に押し出しすぎていてカイジばかりギャンブルをする。

しかも、話の流れからして絶対負けの許されないギャンブル。

然らば、カイジは不敗となる。

原作漫画はそのひりつくような命のやり取りから生き残ってきたというのに今作は設定が甘すぎる。

展開が読めすぎてタツヤの演技に集中するしかない。

ゴールドジャンケンに至っては始まる前から答えがわかった。

こんなクソみたいなギャンブルで接待ってエリートの名が廃りますわ。

オチまで簡単に読ませる映画って…いや、お約束と言えばお約束なんだけれども。

何にしろどのギャンブルもほぼ展開が読めた事は大きな問題。

更に言うと肝のギャンブルを先に持ってきてしまったせいで後のギャンブルがしょうもないレベルへと成り下がった。

何だよ、あの大掛かりなセット。
どれだけ時間掛けて作ったんだ。

無駄にも程がある。

吉田鋼太郎に重きを置いたばかりに後半は失速、よって福士蒼汰の熱演も無駄になっている。

もっとインパクトのあるセリフや表現をさせるべきだった。

ないしは印象に残るギャンブルを用意すべきだった。

もっとガツガツぶつけてなんぼのキャラだったのに、中途半端なキャラ。

つまり福士蒼汰がかませ犬だったという事。

こんな馬鹿げた話もない。

もっというと500億円じゃ駄目で1000億円だったら大丈夫だったの?

そういう単位の話じゃないだろうに。

トランクケースになんぼ入ってたか知らんけど、そんな額だけで危険犯す?

ツッコミどころしかない。

とにかく、全ての構成が悪すぎてお話になりませんという事。

では、なぜこの点数か?

そんなもん坂崎のおっちゃん(生瀬勝久)が出たからに決まってるやん。

遠藤(天海祐希)もハンチョウ(松尾スズキ)も再登場してるし、未調査で鑑賞して良かった。

友情出演じゃなかったところは目を瞑る。

これぐらいか、褒めるところは。

原作で重要な役どころの黒崎まで陥落したとあってはもはや、続編を作る気はないのかな。

オリジナルギャンブルがこれでは元も子もないか。
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